- 2016-5-12
- 豊後food記 -奥豊後周辺の食-
サフランが伝来した竹田市の玉来は、国内で最大の生産地となり、今も地域の特産品として生産が続いています。
サフランは日本全国で、常備薬としてアロエや南天のように全国各地で栽培されていました、昨今ではあまり見られなくなりましたが、竹田市では玉来以外でも鉢植えや花壇で楽しむ人が多く、実際に販売するために生産する農家もあり、伝統農法はもとより農薬を使わない育成方法等が生まれ、地元の農業文化として今もしっかりと息づいています。
また近年では、東北地方太平洋沖地震で被災された岩手県の大槌町へ(株)日比谷花壇様の協力のもと、竹田市の球根と栽培方法をお伝えし(JAおおいた・合同会社七ツ森農業)ました、「おらが大槌夢広場」様のもとで竹田伝来のサフランが栽培されています。こちらも是非応援してください。
世界で親しまれてきたサフラン-saffron-
紀元前からヨーロッパでめしべを香料や染料として広く利用され、古代ギリシアではその黄色が王族の色として、日本の「紫」と同じようにロイヤルカラーとされていました。
クレタ文明から知られ、とても古い歴史を持つサフランは多くの逸話が残され、その価値は時には同じ重さの金と等価で取引され、欧州では高貴な黄色の染料の為に王が独占する事もありました。
アジアではインドと中国で見られるように香料や染料、アーユルヴェーダでの香油や漢方の番紅花等と貴重な薬品として使用されてきました。
日本でも漢方薬として知られていましたが、本格的な栽培が始まるのは明治になってからの事でした。
明治19年 相州国府村 添田辰五郎の手によって南欧より伝来する。
明治30年 添田辰五郎、サフランの栽培方法の確立に成功する。
明治36年 竹田市球来(現在の玉来)へ吉良文平により球根と栽培技術がもたらされる。
明治39年 吉良文平らの手により本格的な栽培が始まり現在に至る。
世界中で栽培されているサフランは、数千年変わらない形で露地の土に植えられ、開花させ収穫されます。
竹田市のサフランは、その開花時期の管理が特徴的で、室内で開花を促し、収穫が行われます。
室内で開花させる栽培方法は竹田市で誕生し、本来乾燥地帯を好むサフランは、夏季に雨の多い日本では栽培が難しい植物でしたが、この室内で開花させる方法を行うことで、雨の多い日本でも安定した収穫ができるようになりました。
しかし、適度な水分はサフランの球根を育てるのに適していて水田での栽培がその育成に最適な環境でした、その為水田でサフランを栽培する農家は、稲作のサイクルをサフランと稲作の栽培で丁度よく管理できるように、稲作の形も変えてきたそうです。
初代の吉良文平氏が栽培の方法を確立したのちに、栽培が玉来から竹田市全体へ広まり、当時の農業改良普及所の推奨で大分県内へと広がっていきました。
現代では、その単価と作業の性質により後継者不足に悩まされているものの、毎年サフランの甘い香りに包まれながらサフラン農家の人々はサフランの育成と文化の継承に頑張っています。
サフランは漢方薬の番紅花と同じく婦人病の薬として古くから親しまれ、現在もその他に沢山の効果がある事がわかり研究され続けています。
一般的な資料に基づいてブログにて紹介します。
以下はその効能の一部です。(こんなにあるんです)
婦人病と血行障害
生理痛、産後の腰痛、腹痛、生理不順、更年期障害、血行不良、冷え症などなど。
疲労の回復
頭痛、目まい、疲労感
精神安定
イライラ、ヒステリー、安眠促進効果、他
疾病、健康維持
健胃、消化不良、風邪、利尿、喘息などの鎮痛や鎮静
最近ではサフランには、痴ほう症の予防や記憶力の活性効果や抗癌性、抗変異原性、免疫調節機能等が示唆されると言う事で大学などで研究が行われているそうです。
長崎国際大学の正山征洋教授の論文等に詳しく紹介されているので、探して読まれ見るのも楽しいと思います。
しかし、薬として販売される場合は薬事法が適用されるので、効果効能を求めて竹田市のサフランをお求めの際には、薬局で漢方薬品として販売されているサフランをお買い求め頂く必要があります。
その際には竹田産のみをご希望いただくのは難しいかもしれません。
薬効を求められると生産者が個人で自由に販売することは出来ない事をご留意ください。
水はけの良い、花壇や鉢植えで育てる事が出来ます。冬の寒さにはびくともしません、大雨が続き水はけが悪いと球根が腐食して死んでしまうので、「水はけの良さ」と、「毎年増える」球根が、密植しすぎないように気を付けて頂ければ、毎年秋にかわいい紫色の花を見ることが出来るでしょう。
世界中で数千年親しまれてきたサフランには沢山の料理法がありますので、各種料理情報サイトでご覧ください、その種類の多さに圧倒されるかもしれません。
もっともポピュラーな食べ方は、サフランライスやハーブティーでそのまま使用して香りを楽しむ使い方です。紅茶1杯に3~5本の花芯を入れるだけでもサフランの香りを楽しんでいただける事でしょう。
サフランの球根は開花時に土と水を必要としません、なので卓上やお部屋で、手軽に開花を楽しむことができます。おしゃれなカップに球根を入れて秋の開花を楽しむ人も居ます。
レストラン NARISAWA 東京都港区南青山
HP URL:http://narisawa-yoshihiro.com/
JR九州 或る列車
HP URL:http://www.jrkyushu-aruressha.jp/
食彩工房 和らびTFC 大分県竹田市久住町
HP URL:http://warabi.net/
森の宿泊リストランテ poco a poco sarimos
HP URL:https://www.facebook.com/poco.a.poco.sarimos/
喜多屋 大分県竹田市
HP URL:http://www.kita-ya.jp/
道の駅たけた・道の駅すごう(農村商社わかば)
HP URL:http://www.taketa-wakaba.jp/
その他にも竹田市市内では、様々なお店がサフランを取り扱っています。
是非遊びに来てください、お待ちしております。