「岡大豆」 -江戸時代、全国の大豆相場を決めたブランド大豆(出典:豊後国志)-

江戸時代後期中頃から、大豆の価格は日本で最も高級な岡大豆から定められた。
豊後国志曰く*
岡豆爲2諸国之最1大阪之商。
定價之貴賎。以2岡豆1爲(レ)準
と書かれている。

*豊後国志(江戸時代に幕府が指導編集させた各地の地誌編纂事業の一環として編纂された本の一つ)

岡大豆

岡大豆

享和1801~慶応1868の期間の相場でインフレ率の高かった年代を除き、取引価額を最高値平均で
岡大豆平均1石、約銀109匁(もんめ)として(岡城.com調査による)
*1石=約180.39㍑
物価の安定していた頃の平均的な銀1匁の価値を現代の価値に換算すると
銀一匁=¥1,000くらいらしいので、このレートで計算してみる。
ちなみに1文は15円くらいらしい。

銀一匁、現代レート、およそ千円

現代価格に岡大豆を換算すると。
1石=¥109,000
お風呂一杯:200㍑(適量)
岡大豆200㍑:¥120,800
10kgで約¥93,00程。
*10円以下切り捨て。
相場なので最初の値段。
しかし、大工の日当が銀6匁(¥6,000)現代の価値であれば、1.5倍~2倍くらいの価値も考えられるので。
つまり…、
岡大豆の値段。
お風呂一杯18~24まんえんくらい?。。。すごい、どんな人が食べてたんだろ。
*写真は例えです。


岡大豆を作っていた地域

岡大豆を生産していたのは、直入郡の四原と言われる地域の、柏原(かしわばる)、恵良原(えらはら)、葎原(むくらわら)、菅生原(すごうばる)、現在の竹田市の荻町と菅生地区を代表として岡藩内で広く栽培されていたそうです。

岡大豆にまつわる話

その形からか価格からか「小判大豆」と呼ばれていた。
きめ細かで味もよく、上方(大阪~京都)で大人気だった。
昔は畑の間のあぜに植えていたくらい一般的な作物だった。
藩の選別が厳しすぎて、とてもすごい一揆が起きた。
現代の豆腐用大豆の祖先に岡大豆が使われている。
黒大豆や赤小豆も岡藩の特産品だった。
豆腐屋さんの屋号に「岡」とつくお店が多い(噂)
等など。


岡大豆から生まれた大豆

岡大豆(母)、植物はミトコンドリアや葉緑体が母品種から主に伝わるので母系譜で追跡。

フクユタカ

フクユタカ=岡大豆(母)+白大豆3号(父)
高タンパクで豆腐にした時、固まりやすく硬い豆腐ができる。
豆腐に加工する際の効率が良い、豆腐・油揚げ用原料として人気。
煮豆には向かない。

九交255・F2

九交255・F2=フクユタカ(母)+エンレイ(父)
詳細不明

サチユタカ

サチユタカ=九交255・F2(母)+エンレイ(父)
タンパク質含量が高く豆腐加工の適性が優れる。
大粒種なので煮豆にも出来る。
栽培に適するのは中国地方、ついで、九州北部、近畿地方でも栽培できる。
ウイルス病ほ場抵抗性は「中」程度、ネコブセンチュウ抵抗性は「弱」で育成は難しめ。

たつまろ

たつまろ=サチユタカ(母)+短葉(父)
難裂莢性で倒伏に強い。機械収穫脱穀などがしやすく、かつ倒伏に強く茎が立つ、
まろやかな醤油に仕上がるように願いを込めて命名された、主に加工用。


現代の岡大豆

この記事の岡大豆の写真は「森の宿泊リストランテ ポコ ア ポコ サリモス」さんに取材協力させて頂いて撮影させて頂きました。

岡大豆の栽培に挑戦

サリモスさんは今年、「岡大豆」の栽培に挑戦されるそうです。
ほそぼそと受け継がれてきた古い品種の「岡大豆」は、現代のように品種改良されていないので、どのような気候に適して、どんな病気が発生するのか、過去の記憶を頼りに再び研究する必要があるそうです。
現代に蘇る江戸時代の最高級ブランド大豆で作られた料理を、栽培の経過も含めて、是非取材させていただきたいと思います。

要CHECK!(九州大分県観光旅行にオススメの宿)無農薬合鴨米とどぶろく、森の宿泊リストランテ、サリモスの公式HP
http://sarimos.com/
サリモスさんのドローン空撮映像。


参考資料
「直入郡志全-直入郡教育会 -」
「豊後国志-岡藩由学館-昭和50年復刻版」
「レファレンス協同データベース」Q江戸時代の一両の価値は現在のいくら位か。へのAnswer「近世の物価事情-当時の一両は現在のいくらか-」土肥鑑高(『日本歴史』第623号(2000.4)日本歴史学会編 吉川弘文館 平成12年4月1日) (金一両平均6万円、銀一匁平均1000円、銭一文平均15円)
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000013860
九州沖縄農業研究センター「豆腐用大豆フクユタカ資料」
九州沖縄農業研究センター「豆腐用大豆サチユタカ資料」
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター 四国研究センター「別記様式2 たつまろ資料」
国産大豆品種の事典2015(全体版)(PDF:2,180KB)



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